晴耕雨読

3月 29, 2015 by 遠藤 進一朗 // Leave a Comment | CATEGORY: 読書

雨ですね。
読みたかったけど手をつけていなかった本を読んでます。
佐藤可士和の【聞き上手話し上手】

各界の著名人と対談形式で繰り広げられるこの本。
佐藤可士和の会話から相手を引き出す手法にまず感心させられるのですが、その中で一番興味深いのはユーミンこと松任谷由実との対談。
『misslim』というアルバムくらいからユーミンは歌詞と音楽は一緒だと思うようになったそうです。

『緑の街に舞い降りて』という曲は宮沢賢治のボワーンとした風景の質感を意識した曲。
また『ジャコビニ彗星の日』は秋が深まっていく時の空がキーンとする感じを意識したそうです。

もし建築における空間的質感をお施主様から求められたら…
『母胎のように包み込まれるようなポワンとした寝室にしてください…』

この要望に応えるべく空間的質感は色や高さ。匂いや手触りなど構成する要素はたくさんあります。
そのなかで設計士は空間的質感のバランスをとりながらお施主様がおもう心地よさを表現しなければなりません。

コルビジェのモデュロールや日本人に馴染みのある白銀比、或いはいままで旅して身を置いてきた歴史的建造物の感覚など…設計士自身がいままで経験や学習してきた感性を空間にのせて提案します。
日々勉強なんですね。

建物完成後お施主様から『ああ!これだよ僕の欲しかった空間は!』こんな感想いただければ設計士としては大成功。

脳科学的にこのことを[クオリア]というそうです。
言葉ではなんとも表現しにくいことをカタチにしていく過程はなかなか大変なことですが人の数だけクオリアの数もあるということ。

10年前。自分の個性を出した建物を追求しようと志していましたがいまは全く考え方は変わりお客様の気持ちを引き出すことをしたいと思います。
自己表現には限界を感じますが、お客様の意見を聞くことは無限な可能性を感じるのです。

唯一無二の家を実現すべく設計という仕事の深さと魅力がより一層増してきました。
そんなきっかけを与えてくれる佐藤可士和の本。
オススメです!

IMG_7327.JPG


コメントする

  • (will not be published)